伊勢神宮内宮（三重県 伊勢市）

全国に4〜5,000社余りあると言われ、伊勢信仰に結びつく神社である。特に、関東から中部地方に多い。祭神は天照大御神であり、それは太陽を神格化した神である。そのため農耕と結びつき、稲荷信仰と同様に受け入れられやすく全国に広がっていった。
古代に於いて天照大御神（伊勢神宮）とは、天皇のみが奉幣を許される存在であったが、平安時代以降財政が厳しくなってくるに従ってだんだんと緩くなり、全国から広く寄付等を請うようになった。その時に、各地の領主が土地を寄進し、そこに天照大御神を勧請（分霊）することにより神明神社として成立するに至った。
また近世に入ると庶民の間にも伊勢参りが大ブームとなり、村ごとに伊勢講が作られたり、「お蔭まいり」と呼ばれるような集団参詣も行われるようになる。そのため、伊勢＝神明＝神さまというような構図が庶民の頭の中に出来上がったに違いない。
そのような時に気になるのが村にある神社である。「昔からこの辺りにある神社だけれど、何を祀っているのかよくわからない」という状況はしばしは発生したのだろう。「お稲荷さんは狐がいるからすぐわかるが、この神社はなんなんだ？」となる。「（神様を祀っているんだから）神明だろう」と伝え信じ切ってしまったが故に、誤って神明神社となってしまった神社も数多くあるらしい。一説には、神明と名のつく神社が全国に2万近くあるという理由にも関係するのかもしれない。

主な神社

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