金峯山寺（奈良県 吉野町）

神仏習合の時代に修験道の神である「蔵王権現」を祀っていた神社である。「蔵王」という言葉から山形県と宮城県に跨る蔵王山を連想し、そこが総本社かと思いがちであるが、それは少し間違いである。
蔵王権現の正式名称は金剛蔵王権現で、奈良県吉野町にある金峯山寺の本尊であり、ここが蔵王権現社（御嶽神社）の総本社となっている。一方で蔵王山はどうなっていたかというと、大昔は蔵王という名前ではなく、刈田嶺（かったみね）や不忘山（わすれずのやま）といった別の名前で呼ばれていた。その当時でもこの山は信仰の対象ではあったようだが、その後に金峯山寺から蔵王権現の勧請を受け、修験道が山岳修行を繰り広げるようになってから、「蔵王山」という名前が定着していったようである。つまり、蔵王権現のほうがが先で、蔵王山が後ということである。
神仏分離令以降は蔵王権現を名乗ることは許されず、多くは御嶽神社や金峰神社や蔵王神社という名前に改称させられた。その時に、本地仏と垂迹神の関係性より、大己貴命や少彦名命や国常立尊に祭神も改めた。

また、覚明行者、普寛行者が創始した木曽御嶽信仰に基づく神社は、上記と区別して「おんたけじんじゃ」と呼ばれる。起源は蔵王権現信仰であるが別の信仰として分化している。中央に「御嶽山座王大権現」、右に「八海山提頭羅神王」、左に「三笠山刀利天宮」と刻まれている石碑は木曽御岳講の登山記念碑である。江戸時代に普覚が八海山と三笠山を開山したと伝わる。

主な神社

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