出典:国土地理院
飽咋之宇斯能神
『古事記』の神話に登場する神であり、伊邪那岐命が黄泉國の穢れを清めるために行った禊の際に誕生した一柱である。伊邪那岐命が筑紫の日向の小戸の阿波岐原において、身に付けていた衣類や装身具を次々と脱ぎ捨てた際、その「冠」から成り出でたとされている。
神名にある「飽」は、十分に満ち足りることや、あるいは「開」として明るく開けることを意味し、「咋」は口にする、あるいは杭のように打ち込むといったニュアンスを含むとされる。また、「宇斯」は「大人」に通じ、領有する者や守護する者を指す尊称である。これらを統合すると、この神は「十分に満ち足りた状態を統括する主」あるいは「開かれた明るい世界を司る守護神」としての性格を持つと考えられる。または、旅行者にとって最も恐れるべき飢餓から守ってくれる神と見る説もある。
さらに、頭部を保護する冠から生まれたことから、人間の思考や知恵、あるいは生命の根源的な力を象徴する神格、推古天皇御代から始まった冠位制の神格化であるという解釈もなされている。・・・が、神道学者の間でも諸説あるようで、意味や解釈については定まっていない。
神話や伝承に基づき、個人的な解釈を含みます。