出典:国土地理院
神社とは、日本固有の宗教である神道の信仰に基づく祭祀施設のことである。
そこには、産土神・天神地祇・皇室や氏族の祖神・偉人や義士などの霊などが神として祀られている。現在、宗教法人として登録されている数が約85,000社、非登録の小さな社・祠も含めると20万社を超えるとも言われている。
神道の発祥は、有史以前の原始時代にまで遡り、自然信仰が起源とされる。縄文時代における信仰(原始信仰)は、巨石・山・川・海・火山・太陽・風・雷など自然そのものを畏れ敬うものであったと考えられる。その頃は現在の神社建築のような建造物等を造営することはなかった。その後、弥生時代や古墳時代になると、ヒトが組織的な集団生活を営むようになり、その集団の中から中心的なヒトや一族が発生し、そういうヒトを大勢が敬う感情が発生した。そういったヒトがシャーマン的な儀式・呪術を行う姿は、古代の自然神と一体になっているように感じられたのであろう。こうして自然神に人格が投影され始めた。
さらに、古代中国から仏教や道教などさまざまな思想や文化、そして渡来人が古代日本に入ってくるようになると、思想の習合は加速する。
また、仏教と共に仏教建築も輸入され、次々と建立された仏教寺院に対抗するように、特段の建築物を持つことが無かった古代神道にも建築物が造営され始める。これが神社建築の始まりである。
そして西暦700年代前半に編纂された「古事記」「日本書紀」を以って、神國ヤマトと神道という思想が文書として確立した。
現在の神社を大きく区分すると、次の4つに分けられるだろう。
①鎮座創建を有史以前にまで遡るような古社
②武家・武将によって勧請された神を祀る神社
③庶民によって勧請された神を祀る神社
④明治以降に設立された神社
それらの頂点に位置する神社が伊勢の神宮、すなわち皇大神宮と豊受大神宮というのが現在の神社というシステムである。
①の中でも、特に原始信仰を残す古社は唯一的存在である一方、②と③の勧請により設立された神社は地域的な偏りが見られる場合もあるが全国的に広まり、
共通の神社名を持つ神社が多い。例えば、八幡神社や八坂神社などである。
しかしながら、創建から現在に至るまで変わることなく存続している神社はほぼ皆無と言って良いだろう。
神仏習合、中世の荒廃期、明治の廃仏毀釈と神社合祀令、廃絶・統合・移転など
さまざまな影響を受け、鎮座・創建時とは全く異なる信仰になっているし、祭神の入れ替わりや新解釈も、過去に頻繁に起きていたようである。
そのような状況ではあるが②と③については、ある程度の共通項で括れるところが多く、神社について理解を深める手助けとなる。
ここでは、そういったメジャーな神社名を元に共通項ついて述べる。
稲荷神社・稲荷社
八幡神社・八幡社・白幡社
八坂神社・祇園社・天王社
八雲神社・須賀社・素鵞社
天満宮・天満社
弁財天・弁天社
住吉神社・住吉社
白山神社・白山社
神明社・皇大神宮・伊勢社
熊野神社・熊野社
杉山神社・杉山社
浅間神社・浅間社
第六天神社
日吉・日枝・山王神社
金刀比羅神社・琴平社
諏訪神社・諏訪社
月読神社・月読社
厳島神社・厳島社
御嶽神社・御嶽社
鹿島神社・鹿島社
香取神社・香取社
春日神社・春日社
秋葉神社・秋葉社
三峯神社・三峯社
古峯神社・古峯社
愛宕神社・愛宕社
猿田彦神社
淡島神社・粟島社
竈神社・荒神社
羽黒神社・出羽神社
三島神社・三島社
子ノ神社
雷電神社・雷電社
産泰神社
三吉神社
青麻神社
駒形神社