出典:国土地理院
御祭神の稗田阿礼についてお話しするのじゃ。
歴史上の人物で、稗田神社にてお祀りされておるのじゃ。
詳細は地図にも示しておるし、ページをスクロールして見てみるのじゃ!
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稗田阿礼稗田阿礼命etc...
稗田阿礼は、日本最古の歴史書『古事記』の成立に関わったとされる人物であり、特に驚異的な記憶力によって帝紀と旧辞を誦習した人物として知られている。阿礼の事績は主として『古事記』序文に記されており、それによれば第四十代天皇である天武天皇の時代、歴代天皇の系譜や事績を記した帝紀と、神代以来伝えられてきた神話・伝承・歌謡などを含む旧辞には多くの異伝や誤りが存在していたとされる。天武天皇はこれらを整理し、正しい歴史として後世に伝えるため、当時まだ28歳であった阿礼にそれらの内容を誦習させたのである。
序文によれば、阿礼は「目に一度見れば口に誦み、耳に一度聞けば心に記す」と評されるほどの優れた記憶力を持っていたとされ、帝紀と旧辞を完全に暗誦できる人物として朝廷に仕えた。しかし天武天皇の崩御によって編纂事業は一時中断し、阿礼が記憶した内容も長らく書き留められることはなかった。その後、第四十三代天皇である元明天皇の代に至り、改めて記録化が命じられ、朝廷の官人である太安万侶が阿礼の誦習する内容を書き取り、和銅五年(712年)に『古事記』として完成させたとされる。
阿礼の出自については、天岩戸の前で舞った天鈿女命を始祖とする猿女君の一族であるとする説が有力であり、この氏族は代々、朝廷の祭祀において神話を語り継ぐ役割を担っていたという。
しかしながら、阿礼の性別や身分については明確な記録が残されておらず、古くからさまざまな説が存在する。一般には舎人階層の人物であった可能性が指摘されるが、女性であったとする説や、語り部的な役割を担う家系の人物であったとする見解もある。またその名に含まれる「阿礼」が固有名であるのか、ある種の称号であるのかについても議論が続いている。また、そのあまりに超人的な能力や文献の少なさから、実在を疑う声や、天武天皇本人の投影であるとする大胆な仮説さえ存在する。
古事記は、日本に現存する最古の歴史書であり、日本神話および古代天皇の系譜と伝承を体系的に記した文献である。和銅五年(712年)、朝廷の官人である太安万侶が第四十三代天皇の元明天皇の勅命を受けて編纂し、献上した書物である。【古事記について】
その成立の背景には、国家の正統な歴史と王統の由来を確立しようとする朝廷の意図が存在していた。もともとこの事業は第四十代天皇である天武天皇の時代に始められたものである。当時、歴代天皇の系譜や事績を記した帝紀と、神代以来の神話・伝承・歌謡などを含む旧辞には多くの異伝や誤りが混在していると考えられていたため、天武天皇はそれらを整理し、正しい形で後世に伝えることを志したのである。そのため天皇は、記憶力に優れた人物として知られる稗田阿礼に帝紀と旧辞を誦習させ、その内容を保持させた。しかし天武天皇の崩御により事業は中断し、しばらく実際の編纂は行われなかった。その後、元明天皇の代になって改めて記録化が命じられ、阿礼が記憶していた内容を太安万侶が文章として筆録する形で『古事記』は完成したのである。
書物は上巻・中巻・下巻の三巻から成る。上巻には天地の始まりから神々の誕生、国生み、神生みなどの神代神話が記され、天地開闢の神々の出現から、伊耶那岐命と伊耶那美命による国土の生成、さらに神々の系譜が語られる。続いて天上界である高天原の神々の物語、天照大御神と須佐之男命の神話、さらに天孫降臨など、皇統の神話的起源を示す物語が展開される。
中巻は初代天皇である神武天皇の東征と即位から始まり、第十五代天皇までの伝承が語られる。この部分では神話的要素を残しつつも、王権の成立や各地の豪族との関係を示す説話が多く含まれる。下巻には第十六代天皇以降の系譜と事績が記され、記述は次第に簡略化しつつ歴史的記録の性格を強めていく。
『古事記』の文章は基本的に漢文体で書かれているが、神名・地名・歌謡などの音を表すために万葉仮名的な表記が多く用いられている点が大きな特徴である。特に歌謡は日本語の語順を保った形で記録されており、古代日本語の音韻や表現を知るうえで極めて重要な資料となっている。また神話・歴史・歌謡が一体となった叙述形式は、日本の古代文化における口承伝統の姿をよく伝えている。
『古事記』は、後に成立する日本書紀と並び、日本古代史を理解するための最も重要な史料の一つである。とりわけ日本神話の原典としての価値は極めて大きく、神々の系譜を通じて天皇の統治の正統性を示す思想的枠組みを提示している点に特徴がある。さらに文学史の観点から見ても、神話叙事・説話・歌謡が混然とした独特の構成を持つ作品であり、日本最古の物語文学の一つとも評価されている。