出典:国土地理院
時量師神
『古事記』に記された神であり、伊邪那岐命が黄泉国の穢れを落とすために禊を行った際、その身に付けていた「御袋」から成り出でたとされる神格である。筑紫の日向の小戸の阿波岐原という地で、伊邪那岐命が衣服や装身具を次々と脱ぎ捨てた際に誕生した十二柱の神々の一柱に数えられる。神名にある「時」は時間を、「量」は計測や調整を意味することから、時間の推移を司る、あるいは吉凶の時期を推し量る性質を持つ神であると解釈されることが多い。
この神が「御袋」から生まれたという点については、古くから諸説が唱えられてきた。当時の袋は物を入れる実用的な道具であると同時に、霊的な力を封じ込める呪具としての側面も持っていたと考えられている。そのため、袋から生まれた時量師神は、目に見えない時間の流れを一定の枠内に収め、管理・制御する象徴的な役割を担っていると分析される。また、禊の場面で共に生まれた道之長乳歯神などが空間的な境界を象徴するのに対し、時量師神は時間的な境界や節目を司る存在として、対をなすような機能を有しているとも捉えられる。
神話や伝承に基づき、個人的な解釈を含みます。