出典:国土地理院
総本宮・総本社
熊野三山(和歌山県)
概要
全国的に広く分布する神社であり、約3,000社余りあると言われている。山に近い所でよく目にする神社でもある。
熊野神社は、熊野三山(熊野速玉大社・熊野本宮大社・熊野那智大社)に祀られる熊野権現(熊野神)を勧請を受けた神社である。主祭神である三所権現の全部または一部を勧請し熊野神社と呼ばれる他に、十二所権現を勧請し十二所神社(または十二社神社)と呼ばれる神社もある。
熊野権現の成立の時期を明確に確定させる程の裏付けは無いように思えるが、12世紀には十二所権現として本地垂迹(神々が仏に化身して現れたという思想)が確立していたようだ。このように熊野三山は仏教色が強い地であり、紀伊半島の険しい山々は修験道の聖地でもあった。ではなぜ、熊野というローカル且つ秘境の信仰とも思える熊野権現が、全国的に広まったのだろうか。その理由の一つは修験者による布教活動が考えられる。彼らが切り開いた山岳路が巡礼路となり、後々には熊野古道として世界文化遺産にも登録された。もう一つが、白河院や後白河院が熱心に熊野詣したこともあるだろう。明らかな天上人が、苦労してまで何回も何十回も詣る熊野とはどのようなところなんだろう、と庶民の関心も引いたに違いない。江戸時代になると、伊勢参りと合間って、熊野詣もブームとなる。「蟻の熊野詣」と言われるくらいに、盛んに行われていた。そのような背景もあり、山あるところに熊野神社あり、身近な熊野神社をお参りして楽しかった熊野詣でを思い出したい、というように広まっていったのだろう。それが理由かはわからないが、熊野神社はいわゆる山中にある神社というよりかは、山が見える集落の中に多い印象がある。厳しい山岳信仰の神でありながら、庶民にとっては案外親しみやすい神なのである。
しかしながら、廃仏毀釈の流れには抗えず、明治以降は熊野権現と熊野詣は衰退する。一方で、後々に世界遺産に登録された熊野詣の巡礼路は熊野古道として、外国人ハイカーたちの憧れのルートとなっている。さまざまな交通網が発達した現代においても、熊野は十分に遠いと言える。
熊野神社に関して興味深いことがもう一つある。それは、沖縄の神社ではほぼ間違いなく熊野権現が勧請されていると言ってよいことだ。これは割と研究に値する疑問ではあると思う。個人的な妄想の範疇ではあると前置きをしつつ、その理由として考えられるのは、琉球の土着信仰である琉球神道との相性が良かったからではないかと思われる。沖縄、とくに沖縄本島以外の島嶼には、御嶽(ウタキ)と呼ばれる神聖な地が集落ごとにあり、観光客や部外者の立ち入りを例外なく禁じている。それは本土にある神社の開放的なイメージとは全く逆である。琉球神道の信仰の対象が一体何なのかは、正直なところ怖過ぎて知る由もないが、おそらくは自然に対する畏怖から来る何かなのではないかと思っている。熊野権現信仰の中にそれに通じる所があり、沖縄の神社として広く受け入れられていったのではないかと思う。
全国の主な神社
熊野若王子神社 熊野神社 熊野神社 熊野速玉大社 熊野那智大社 熊野本宮大社 熊野神社 熊野神社 熊野大神社 熊野神社 熊野神社 熊野神社 熊野大社 蓮沼熊野神社 熊野神社 熊野神社 上色見熊野座神社 色見熊野座神社 熊野神社 熊野神社 熊野神社 師岡熊野神社 熊野神社 熊野神社 横浜熊野神社 熊野神社 三皇熊野神社 三皇熊野神社
国常立神
(京都府 京都市 左京区)
成田豊住熊野神社
伊邪那美命
(千葉県 成田市 )
松澤熊野神社
速玉男命
(千葉県 旭市 )
熊野夫須美大神
(和歌山県 新宮市 )
熊野夫須美大神
(和歌山県 那智勝浦町 )
家都美御子大神
(和歌山県 田辺市 )
奇御木野命
(埼玉県 児玉郡上里町 )
家都御子神
(埼玉県 児玉郡神川町 )
伊弉諾尊
(埼玉県 深谷市 )
伊弉冉尊
(宮城県 仙台市 青葉区)
熊野大社
熊野夫須美大神
(山形県 南陽市 )
三熊野神社
伊弉冉命
(岩手県 花巻市 )
出雲國一之宮
神祖熊野大神櫛御気野命
(島根県 松江市 )
伊邪那岐命
(東京都 大田区)
伊弉諾尊
(栃木県 那須烏山市 )
伊奘諾尊
(栃木県 下都賀郡野木町 )
伊邪那岐命
(熊本県 阿蘇郡高森町 )
伊邪那岐命
(熊本県 阿蘇郡高森町 )
伊弉冉尊
(神奈川県 横浜市 磯子区)
伊弉諾尊
(神奈川県 横浜市 旭区)
伊弉那岐命
(神奈川県 横浜市 戸塚区)
伊邪那美尊
(神奈川県 横浜市 港北区)
伊邪那岐命
(神奈川県 横浜市 瀬谷区)
国常立神
(神奈川県 横浜市 神奈川区)
国常立尊
(神奈川県 横浜市 鶴見区)
伊弉諾尊
(福井県 小浜市 )
本宮・三光大神
天照皇大神
(秋田県 秋田市 )
里宮
天照皇大神
(秋田県 秋田市 )
稲荷神社・稲荷社
八幡神社・八幡社・白幡社
八坂神社・祇園社・天王社
八雲神社・須賀社・素鵞社
天満宮・天神社
弁財天・弁天社
住吉神社・住吉社
白山神社・白山社
神明社・皇大神宮・伊勢社
熊野神社・熊野社
杉山神社・杉山社
浅間神社・浅間社
第六天神社
日吉・日枝・山王神社
金刀比羅神社・琴平社
諏訪神社・諏訪社
月読神社・月読社
厳島神社・厳島社
御嶽神社・御嶽社
鹿島神社・鹿島社
香取神社・香取社
春日神社・春日社
秋葉神社・秋葉社
三峯神社・三峯社
古峯神社・古峯社
愛宕神社・愛宕社
猿田彦神社
淡島神社・粟島社
竈神社・荒神社
羽黒神社・出羽神社
三島神社・三島社
子ノ神社
雷電神社・雷電社
産泰神社
三吉神社
青麻神社
駒形神社