出典:国土地理院

春日神社・春日社


総本宮・総本社

春日大社(奈良県奈良市)

概要

春日神社は、奈良県の春日大社かすがたいしゃを総本社とする神社群であり、日本全国に広く分布する代表的な神社体系の一つである。その創建は奈良時代に遡り、藤原氏ふじわらしの氏神として成立したものである。主祭神は、武甕槌命たけみかづちのみこと経津主命ふつぬしのみこと天児屋根命あめのこやねのみこと比売神ひめがみの四柱であり、いずれも国家鎮護や武威、祭祀に関わる重要な神格である。これらの神々は、古代に鹿島かしま香取かとりなどから勧請され、奈良の地に祀られたと伝えられる。

春日信仰の特徴は、藤原氏の権勢と密接に結びつきながら発展した点にある。藤原氏は国家の中枢を担う中で、自らの氏神である春日神を篤く崇敬し、その祭祀を通じて政治的権威を強化したのである。また、春日大社は神仏習合の影響を強く受け、興福寺こうふくじと一体化した「春日権現」信仰を形成し、中世においては広範な宗教的影響力を持つに至った。この過程で、春日神は単なる氏神を超え、国家や貴族社会を守護する普遍的な神格へと昇華されたのである。

春日信仰の象徴として最も知られているのは「鹿しか」であり、武甕槌命が鹿島から白鹿に乗ってやってきたという伝説から、神使しんしとして大切に扱われてきた。各地の春日神社においても、石灯籠や絵馬に鹿の意匠が見られることが多く、奈良の聖地の面影を伝えている。

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