出典:国土地理院

いにしえの皇族

04.いとくてんのう

懿徳天皇

04.itoku Tennou(Emperor)

古事記に於ける名前の表記

大倭日子鉏友命おおやまとひこすきとものみこと

日本書紀に於ける名前の表記

大日本彦耜友天皇おおやまとひこすきとものすめらみこと大日本彦耜友尊おおやまとひこすきとものみこと

先代旧事本紀に於ける名前の表記

大日本根子彦耜友天皇おおやまとねこひこすきとものすめらみこと日本彦耜友尊やまとひこすきとものみこと日本彦耜友皇子わひこすきとものみこ軽地曲峡宮御宇天皇かるのところのまがりおのみやにあめのしたしろしめししすめらみこと

漢風諡号に於ける名前の表記

懿徳天皇いとくてんのう

和風諡号に於ける名前の表記

大日本彦耜友天皇おおやまとひこすきとものすめらみこと

系譜

父:安寧天皇
母:渟名底仲媛命

配偶者:天豊津媛命

子:孝昭天皇

概要

第4代天皇。欠史八代の一人で、実在性については諸説ある。第3代安寧天皇の皇子であり、大和の軽曲峡宮かるのまがりおのみやを皇居としたと伝えられるが、その治世に関する具体的な事績の記述はほとんどない。しかし、『古事記』には、懿徳天皇の后に磯城県主の祖である賦登麻和訶比売ふとまわかひめを迎え、後の孝昭天皇となる観松彦香殖稲命みまつひこかえしねのみことをもうけたと記されており、有力な地方豪族との婚姻関係が示唆されている。

陵墓は、宮内庁により奈良県橿原市にある畝傍山南繊沙渓上陵うねびやまのみなみのまなごのたにのえのみささぎとして治定されている。

さらに詳しく・・・

【欠史八代】

欠史八代けっしはちだいとは、日本の記紀神話において、初代神武じんむ天皇と第10代崇神すじん天皇の間に位置する8人の天皇、すなわち第2代から第9代までの天皇を指す歴史学上の用語である。この8人の天皇とは、綏靖天皇すいぜいてんのう、安寧天皇あんねいてんのう、懿徳天皇いとくてんのう、孝昭天皇こうしょうてんのう、孝安天皇こうあんてんのう、孝霊天皇こうれいてんのう、孝元天皇こうげんてんのう、そして開化天皇かいかてんのうである。

『日本書紀』や『古事記』には、神武天皇の東征や崇神天皇の治世に関する詳細な記述がある一方、欠史八代の天皇については、系譜や陵墓、皇后や皇子に関する情報があるだけで、具体的な治世の事績がほとんど記されていない。このことから、古くからその実在性について疑いが持たれてきた。

歴史学的には、欠史八代の存在は、後世の編纂者が記紀の系譜を遡らせるために創作・追加したものであり、実際に存在した可能性は低いと考えられてきた。しかし、近年の考古学的な発見によって、欠史八代の実在をめぐる議論が再燃している。特に、埼玉県の稲荷山古墳から出土した鉄剣に銘文として記された「意富比垝おおひこ」という人名が、孝元天皇の皇子である大彦命おおひこのみことと同一視される可能性が指摘されている。これにより、欠史八代の天皇の存在そのものは依然として不確かであるものの、その系譜に連なる一部の人物が実在した可能性が出てきているのである。

欠史八代の実在性については諸説あり、年代を延ばすために創作されたという説のほか、神武天皇と崇神天皇は同一人物であり、欠史八代は存在しなかったという説、また、実在したとしても、当時の年齢の数え方が現在と異なるため長寿とされているという説などがある。

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