出典:国土地理院
建日向日豊久士泥別
『古事記』の国産み神話に登場する神であり、伊邪那岐命と伊邪那美命の二柱の神によって生み出された筑紫島、すなわち現在の九州を構成する四つの顔のうちの一つ、肥國を神格化した存在である。
筑紫島のうちこの神名だけ異様に長いことが問題に挙げられ、これが『古事記』の原形か、伝写上の誤りに由来するものか、決着はついていないようである。また、4つの國の中に、神話で最も重要な日向國が挙げられていない点も、過去より議論されている。
この神名は非常に長く複雑な構成を持つが、その一文字一文字には土地の性質を称える言葉が凝縮されている。「建」は勇猛さや力強さを、「日向」は太陽に向かう、あるいは明るい場所を、「日」は太陽や霊威を意味する。さらに「豊」は豊穣と美称を、「久士」は「奇」に通じ、霊妙であることや不思議な力を指し、「泥」は「稲」が転じたもの、あるいは土地の土壌を意味すると解釈される。そして「別」は男子の尊称である。これらを繋ぎ合わせると、「太陽に向かって輝く、霊妙で豊かな実りをもたらす力強い男子」という、極めて壮大な賛辞を込めた神名となる。
神話や伝承に基づき、個人的な解釈を含みます。