出典:国土地理院
意富多多泥古意富多多泥古命
大田田根子大田田根子命
大直禰古命
大田田禰古命意富太多根子命
大田々根子神etc...
大田田根子は、日本神話において、崇神天皇の御代に蔓延した疫病を鎮める鍵となった、極めて重要な神主の始祖である。日本書紀によれば、当時、国内には激しい疫病が流行し、人民が絶滅しかねないほどの窮状にあった。天皇が深く憂慮して神に祈ったところ、大物主神が夢に現れ、「意富多多泥古」を祭主として自分を祀れば、国は安らかになるであろうと告げた。これを受けて天皇は茅渟県の陶邑に彼を探し出し、河内國の美和の地で出自を問い質した。大田田根子は、自分が大物主神の子、あるいは子孫であることを明かし、その血統を証明したのである。
この出自の判明により、大田田根子は三輪山の麓で大物主神を祀る神主となり、三輪氏の祖となった。彼が神を祀ると、たちまちのうちに疫病は収まり、五穀は豊かに実って、天下は泰平を取り戻したと伝えられている。大田田根子の登場は、単なる疫病退散の物語に留まらず、王権が特定の神族の血を引く者を介して、強大な力を持つ土着の神霊を鎮撫し、祭祀の体制を確立した歴史的転換点を示している。また、彼が見出された陶邑は古くからの須恵器の生産地であり、物作りを司る技術集団との関わりも指摘されている。