青面金剛(しょうめんこんごう)は、日本の民間信仰である庚申(こうしん)信仰において本尊として祀られる尊像である。元来は仏教の夜叉神であり、中国の道教思想に由来し、日本の仏教や民間信仰と結びつく中で、独自に発展した存在である。病魔や災厄を退け、人々の寿命を延ばすご利益があると信じられてきた。
庚申信仰は、十干(じっかん)の「庚(かのえ)」と十二支の「申(さる)」が巡ってくる庚申の日に、人々の体内にあるとされる三尸(さんし)という三匹の虫が、眠っている間に身体を抜け出して天に昇り、天帝にその人の罪を告げ、寿命を縮めさせるとされる道教思想に基づいている。人々はそれを防ぐため、庚申の日には徹夜で身を慎み、神仏を祀る「庚申待(こうしんまち)」という行事を行った。青面金剛は、この三尸の虫を抑え込む強い力を持つ神として、庚申待の本尊に据えられた。
その像容は、一面三眼六臂(いちめんさんがんろっぴ)、すなわち顔が一つで三つの眼を持ち、六本の腕を持つ忿怒(ふんぬ)の姿で表現されることが多い。手足には蛇が巻き付き、胸の前で両手を合わせるか、剣や輪宝(りんぼう)などの武器や法具を持つ姿で表される。また、足元には邪鬼や、三尸の虫を象徴するとされる三猿(見ざる、言わざる、聞かざる)を踏みつけている姿で描かれることも多い。
庚申信仰が広まるにつれて、青面金剛を本尊とする庚申塔が、村の境や街道沿いなどに盛んに建てられた。庚申塔には、青面金剛の像が彫られたものや、「庚申」や「青面金剛」の文字が刻まれたものなど、様々な形態がある。こうした石塔は、地域の守り神として、村人の生活に密着した信仰のあり方を今に伝えている。 |